2015年1月19日月曜日

フランチャイズ契約の問題点

配送は圏内の店ですので、倉庫の部分をできる限り切り詰めて売上を増やしています。しかも、扱う品物は通常3000品目以上ときわめて多いのです。もし、品物が切れそうになったら、直ちに工場や問屋から配送されるシステムが整っています。

したがって、配送しやすい形で店があれば、時間の短縮と配送台数節約になり、本部の経営効率化の大きな要因となります。また本部から派遣されるアドバイス(スーパーアドバイザーなどとも呼ばれる店舗指導員で、週二回程度、訪問することが多い)が訪問に便利だという面もあります。

コンビニオーナーのよくある不満の一つに、儲かっていると言って、すぐ近くにもう一店同じチェーン店を出されてしまった、というものがあります。他チェーン店ならまだしも、商品が違うということで差別化ができるかもしれませんが、同一チェーンの店ではそれもできず、立地条件や店の広さや明るさで売上が決まってしまいます。

ですから、近くに新しい同一チェーン店ができれば、経営的には厳しくなるのは明らかです。一方、本部にしてみれば、近くに店があれば配送は効率化されます。またロイヤリティーの面では、一店あたりの利益は下がっても合計の売上が上がったほうが本部への収入は高くなります。

新規出店があれば本部には加盟費が新たに入ってきます。さらに、本部の意向に従わない店については、近所に新規店を出店させるという、圧力をかけてきます。

ドミナント戦略は本部にはメリットが大きいものですが、加盟店の側にとっては死活問題であるだけに、商圏を守ってほしい、出店を制限する権利を与えてほしいという声があかっています。

フランチャイズ契約の問題点

コンビニの経営的な問題は、本部とオーナーの対立という形で表面化します。そのいくつかは訴訟にまで発展しています。判決では、当初は自己責任で契約したのだからオーナーに責任がある、という判決が多かったのですが、90年代末ごろから本部の責任を問う判決が出るようになって、流れが変わりつつあります。

たとえば、1998年8月に仙台地裁で、ミニショップ(旧ニコマート)の本部はオーナーに対して約4445万円を支払えという判決が出ています。この店は直営店をオーナーが買い取って経営を始めたものですが、直営店であればほとんどロイヤリティーを払わないですむので、利益が出ていましたが、加盟店のロイヤリティーを直営店の低い率で計算して利益が出ると、本部はオーナーに説明していたのです。判決は、契約を勧誘する時に、直営店のデータを隠し、虚偽の説明をしたことが「不法行為」にあたるとしています。