2012年4月1日日曜日

新型インフル、重症化に備え「学校感染」注視

新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)について、国は21日、流行期に入ったと発表した。
感染の広がりを緩やかにし、重症化を防ぐための取り組みが重要だ。

「先週からの患者数の伸びは緩やかで、まだまだ流行はこれから。南半球での大流行を考えれば、これから例年(1000万人程度)の4~6倍の患者が出る恐れもある」。インフルエンザに詳しい外岡立人元小樽市保健所長は、現在の流行状況について、そう警告する。

「流行」の指標は、1医療機関当たりの平均患者数が1人を超えた状態だが、通常のインフルエンザでも、冬の最盛期には40人を超えることが珍しくない。

新型インフルエンザが一足先に猛威をふるったオーストラリアなど南半球では、今年は例年の4~6倍の患者が発生。集中治療室や人工呼吸器が不足し、多くの死者を出している。これを単純に日本にあてはめれば、ピーク時には現在の100倍ほどの患者が出る計算だ。

では、実際には今後、国内流行はどう推移するのか。9月に新学期が始まった後、小中高校などで集団感染が拡大するようであれば、冬に向かって患者数は増え続け、例年の4~6倍という最悪のシナリオに陥る可能性がある。

ただし、同じ北半球の米国やカナダでは、7月上旬に感染者数がピークを迎えた後、流行が落ち着きを見せ始めており、日本でもいったん流行が落ち着く可能性もある。「いずれにしろ大流行に備え、注意深く推移を見守る必要がある」と、外岡さんは指摘している。