2012年4月11日水曜日

特例について教えてあげよう

うん。これが相続時精算課税制度を選択すると2500万円までは非課税なので、贈与税はゼロとなるよね。そして将来、たとえば10年後にその親が亡くなってしまったとしよう。相続の手続きが発生するね。

そのときの親の財産合計が2億円だったとする。そうすると、10年前に相続時精算課税制度を使って贈与した1000万円も財産の合計に加えて、2億1000万円の財産があったものとして相続税を計算するんだ。

だから「相続時精算」なのか。贈与したときは税が優遇されても、結局相続のときにその分が反映されるんだね。次に、相続時精算課税制度の控除枠2500万円を超えて、3000万円を贈与した場合をみてみよう。2500万円を超えた500万円に対して一律20%の贈与税がかかるから、贈与税を100万円支払うことになるね。

うん。そして、その後、将来に相続が発生したときの親の財産合計は1000万円だったとしよう。亡くなる前に贈与していた3000万円を加えた4000万円を基準に相続税を計算すると、相続税はゼロとなる。相続税がかかるほどの財産はなかったわけか。

じゃあすでに払った贈与税100万円はどうなっちゃうの?この場合は、差額100万円分が還付されることになる。贈与税と相続税を一本化して、相続時に差額を精算というわけだね。もう一方の暦年課税で支払った贈与税は、後から戻ってはこない。

ボクの親は相続税が発生するほどの財産なんてないけど、どうすればいいの?将来、相続税が発生する見込みはないという人が110万円を超えた金額を贈与する場合は、相続時精算課税制度を使ったほうが得する可能性は高いね。

相続って名前がつくとお金持ちだけが対象なイメージだけど、これならボクにも全く関係ない話じゃないね。実際にどちらかの制度を選択するときは、専門家に相談するのが基本だよ。不動産のように贈与時と相続時で評価額が増減するものだってあるし、資産がたくさんある人は相続対策とも一緒に考えないといけないからね。

安易に決めちゃいけないわけか。選択する際の大きなポイントにもなる「そもそも相続税はどれくらい財産があると発生するか」についても、今度学んでみよう。